あらすじ
―理性を破壊されたαはひたすらΩの沼に落ちてゆく―
αの両親の元に生まれたニカイドウ・アキトは、α同士のカップルから生まれたα、つまり「生粋のα」としてエリート中のエリートとして歩む人生を期待されていた。
大学院で研究者を目指し、日々研究に勤しむアキトのモットーは、「理性的に生きること」。
発情期のΩのフェロモンに反応し、性欲に溺れて獣のように性行為に及んでしまうαの唯一の弱点となる習性も、そのモットーゆえに嫌悪していた。
そもそも、Ωのような社会的に低い階級に属する人間などと関わりをもつつもりもない。同じ人間とも思えなかった。
当然、そんなΩと番を作るつもりなどなく、順当にα同士結婚をし、家庭を築くことこそが幸せだと信じ切っていた。
だが、そんなアキトを指導教授のオカダが新宿二丁目で開く研究室の飲み会に誘いをかける。新宿二丁目とは、番となるべきαを求めΩたちが、そんなΩたちを相手に性欲を満たそうとするαたちが集まる夜の街だった。
その街でアキトはマナベ・ケンシロウという一人のΩに無理矢理クルージングスポットに連れ込まれる。
クルージングスポットとは、不特定多数のαとΩが入り乱れ、性行為を行うための施設だった。誰彼構わず番を得ようとするΩとひたすら性的快感を求めるαが集う場所だ。
ケンシロウの発する強烈なフェロモンの香りアキトの最も重んじて来た理性はなすすべもなく、隠されていた野獣のような性的本能が露わになる。
気付いた時には、アキトはケンシロウのうなじに噛み痕を残し、番が成立してしまっていたのだった。
*本作には差別的表現が含まれますが、物語上必要とされているものであり、作者の思想を反映するものではありません。