あらすじ
僕、吉川市朗(きっかわ・いちろう)は、東京芸大のビアノ専攻を一年で中退して大阪へ帰ってきた。
バブル景気へと突き進んでいくこの国の勢いに背を向けるようにして。
それから一年と少し、僕はピアノと音楽から離れ、イタリアンレストランの皿洗いとして毎日を過ごしている。
ある夏の朝、僕の乗った自転車が、歩道で寝転がっていた女性に乗り上げた。
助けたその女性の口から出たのは、ずっと忘れたふりをしていた高校の先輩の名前。
僕が憧れ、嫉妬した先輩。
でも、挫折した先輩。
僕は先輩に再会すべきなのか。
ショパン、ラフマニノフ、ドビュッシーをBGMにどうぞ。