あらすじ
名札を落とした男、名を問う女、そして“探しもの”を始めたはずの「僕」。
──だがそのすべてが、誰かの“代わり”だったとしたら?
出張先で終点駅まで乗り過ごした「僕」は、見知らぬ町の公園で“名札を探す男”と出会う。
名の読めないそれは、誰のものかもわからない。けれど男は言う──「ここ、よく落ちてるんです」。
やがて女が現れ、僕も名札を拾い、“誰か”を思い出し始める。
だが会話はすれ違い、名前は曖昧に、過去と現在は歪んでいく。
そして気づけば、“探されていたのは自分”なのかもしれないという違和感が全身を包む。
記憶と名を失った人間たちが集うその公園は、現実か死後か、それすら定かでない。
やがて終幕、名札を拾い上げる者が現れる──
胸に輝く銀の名札には「死人管理局」の文字。
命と記憶を失った者が“自分”を探す物語。
でも、名を返されたとき、あなたは本当に「あなた」でいられるだろうか?