あらすじ

景司。油にまみれた現場作業一筋の人生。ある日、最愛の妻が倒れ、緊急手術を受けた。病院の廊下でふと目にした「献血のお願い」の掲示に、景司は心を動かされる。かつて自分も大学時代に一度だけ献血をしたことがあった。あのとき誰かの血が、今、妻を救ったのかもしれない—。そう思い、四十年ぶりに献血センターを訪れる。 しかし、現場で酷使した身体は、血にも現れていた。脂っこい食生活、晩酌、慢性的な疲労。届いた血液検査の結果は、まるで「誰にもあげられない血」と言わんばかりだった。そこから景司の小さな挑戦が始まる。晩酌を控え、食事を見直し、散歩をし、血を“人にあげられるもの”に変える日々。 その変化は周囲にも伝わり、若手社員や地域の人々にも献血の輪が広がっていく。定年を迎えた景司は、「誰かの命を救える血を流すこと」を人生の誇りとし、静かに献血を続けるのだった。

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エブリスタ2025/06/24
  • 現在の作品景司の献血