あらすじ
『このときの作者の心情を答えなさい』
俺はこの問題が大嫌いだった。
だってこれほど理不尽な問いがあるだろうか。
誰か作者に取材でも行ったのか。それとも国語のテストを作る人間には他人の心を読める能力が必須なのだろうか。でなければ作者の心情なんてわかるはずがない。
──しかし、今。
俺は人間に心を読む力がなくてよかったと思っている。
あの問題が想像力によって作られていたことに心から感謝した。
もしそんなことができたなら、きっと暴かれていただろうから。
「犯人はあなたです!」
名探偵は華麗な推理を披露して、真犯人である俺の隣に立つ女を指差した。