あらすじ
社会人二年目を迎えようとしていた年明け。遂に転職先を決め、新しい仕事を間近に控えていた。
「またそんなお洒落な所……」
「栃木で探せば良かったじゃないの」
親戚一同、呆れたように言う。
「なんでわざわざ東京なんか行くの?」
年越しの酒に饒舌になっていた私は、胸を張って答える。
「栃木には佐野史郎いねーだろ!?」
親戚一同、大きな溜息。
花の都・東京での新たな生活に、イベント参戦歴も昨年までとは桁違い!
これまでよりも、フットワーク軽く、いつでもどこでも馳せ参じる!
しかし、かけ離れた年齢の推しが見る世界に、段々とついていくことが困難になっていく。新たな職場での立ち位置に悩み、好きだったはずの創作にさえも嫌気が差してきたことで、アパートの狭い一室で公私混同し続け苦しむ日々が続いていた。
「やっぱり、私がいていいのは、ここじゃないのか?」
人生のピークと言われる25歳を目前に、静かな焦燥に駆られながら、見ないふりをしながら、目の前の心躍る一瞬にしがみつく。
そうしてたった一人の推しを追っている中で、数々の思いがけない出会いもあり……。
相手を応援するだけだったはずの推し活が、私の人生観を侵食し、新たな縁を呼び込んで、見せる世界を変えていく!
半世紀先を生きる大俳優の足跡を追って生きる、腐れへたれた若造の推し活紀行文、大ボリュームの第3弾!
※作中に登場する写真は、全て筆者の撮影によるものです。
《参考文献》
『怪奇俳優の演技手帖(佐野史郎・著)』岩波アクティブ新書
『怪談四代記 八雲のいたずら(小泉凡・著)』講談社文庫
『怪と幽 vol.011』角川書店
『神筆(村瀬継蔵・著)』特撮DNA
『唐十郎 襲来!』河出書房新社
『小泉八雲の怪談づくし(小泉凡・著)』八雲会
『講談社シリーズMOOK ゴジラ&東宝特撮OFFICIAL MOOK』講談社
『こんなところで僕は何をしてるんだろう(佐野史郎・著)』角川書店
『竹内銃一郎集成 Volume V コスモス狂(竹内銃一郎・著)』松本工房
『東京人 特集 劇場に行こう!』都市出版
『日本の伝記 知のパイオニア 小泉八雲と妖怪(小泉凡・著)』玉川大学出版部
『別冊NHK100分de名著「わが道の達人」水木しげる』NHK出版
『monoモノ・マガジンNO.944』ワールドフォトプレス