あらすじ
夢の終わりと、目覚めのはざまで。
ふたりは、出逢うために地球に降りてきた。
この星に溶け込むように暮らしていた、
ふたりの異星人──法(のり)と聖(しょう)。
彼らの愛は、人間のように言葉を並べるものではない。
感情の色を、光の揺らぎを、心の波動を通して交わされるものだった。
ピンクと水色のビームのような感覚が、
ふたりのあいだを行き交うたびに、世界は静かに軋み、
空間の繊維がほころび、見えない次元の扉が開いていく。
「ビームのように、心が重なった」
それは、交信というより、融合だった。
身体よりも深く、魂の奥に触れ合うような、
熱く、そしてどこか切ない共鳴。
これは終わりか。
それとも、始まりなのか。
その問いすら、もう必要ではなかった。
現実と幻想の境界がとろけて、
自分という存在が、もうひとつの誰かと溶けあってゆく。
そのとき、
「あたし」は静かに、「わたし」へと変わっていった。
もう、誰かにとっての存在ではなく、
彼女自身が、彼女として、
この愛と、この宇宙に生きることを選んだのだ。
言葉にならない愛。
視えない場所で確かに交わる感情。
夢から目覚めて、なお続いていく夢のような世界。
色彩と音、光と闇、
そして、ふたりだけのビームが描く交信の軌跡。
──これは、
幻想のように美しく、
官能のように眩しく、
そして、静かに彼女や彼を変えていく
愛のSF叙事詩。
『あたしがわたしに変わる頃〜夢から目覚めて眠る瞬間(とき)〜』
ここに、開幕