あらすじ
竹林の石畳の小径。
その存在に気付いた者だけが足を踏み入れることができる。
小径を抜けた先には、ひっそりと佇む一軒のやや古びた建物がある。
扉を開けて中に入ると、所狭しと本が並び、
その奥には、この店の女店主が物憂げな微笑みを浮かべながら、
丸ぶち眼鏡越しに手元の本に視線を落としている。
貸本屋「玉心堂」、ここにある本は、
ただの本ではなく、不思議な力が隠されているという噂がある。
訪れる者は、時折その本に導かれ、自らの扉を開くことになる。
女店主は、その秘密を知る数少ない人物であり、
訪れる者に、たおやかに微笑みかけ、静かに語りかける。