あらすじ
生まれて半年の黒猫クリストファーは、ご主人様が大好き。
自分を拾って育ててくれた心優しい侯爵令嬢セレーネと結婚したくて、日々オスを磨いている。
そんな中、彼女は困窮した家のため、爵位が下の成金に嫁ぐことに。ショックを受けるクリストファーであった。
しかしもうすぐ嫁ぐという頃、セレーネの身に事件が起こる。魔法の薬を作っている最中に、顔に怪我を負ってしまったのだ。
夫となった男は、上位貴族の彼女に劣等感を抱き、顔の状態を咎め下働きと同様の扱いをする。さらに暴言を浴びせるのが常であった。
クリストファーは必死に彼女を励まし慰めるが、猫の声では伝わらない。こんな小さな身体では、彼女を守ってあげることも、抱きしめてあげることもできない。
────どうしてボクは猫なんだろう。
ボクがキミの夫なら、ぜったい悲しませたりしないのに。この世の誰より幸せにしてあげる。
だからキミの幸せな涙で、ボクを生まれ変わらせて。