あらすじ
神影村には百年ごとに若い娘が鬼神様へ嫁ぐ習わしがある。
それは村の繁栄のために、村の安寧のために。
花嫁となる者は鬼神様の糧となるために、心と体が満たされていなければならない。したがって懇ろに育て上げ、丁重にもてなすことを村の掟としていた。
遠野井家の娘、千幸は百年目を迎える十八の年、鬼神様の花嫁となる。
双子の妹である千鶴と差をつけて育てるため、両親は千鶴を女中以下に扱い、蔑ろにしていた。
しかしふたりが十八となった年、鬼神様に嫁ぐことになったのは千鶴だった。
千幸が千鶴の許嫁との子を身籠ったために。
心に傷を負った身代わりの花嫁、千鶴は隠世へと足を踏み入れ、あやかしの厳しさや優しさに触れて自分を取り戻していく。