あらすじ
伯爵家の冷たい屋敷で、妻として、ただ「役目」を果たすだけの日々を送っていたエリナは、夫・カーディスの度重なる裏切りに耐えきれず、ついに離婚届を残し、館を去る決意をする。
たどり着いた先は、幼い頃に過ごした父の兄が治める領主館。
そこには、かつての幼馴染であり、今は館を護る騎士隊長となったアレクの姿があった。
再会した二人──静かに笑顔を浮かべるエリナと、彼女を見つめるアレクの心には、言葉にできない想いが渦を巻く。
エリナの無理に作る笑顔、優しさを忘れずにいる強さ、そして背負ってきた痛みを、アレクは胸の奥でそっと抱きしめながら見守り続ける。
しかし、かつて何もできなかった後悔と、彼女を守りたいという想いが、日常の中で次第に膨れ上がり、アレクの心を揺さぶる。
一方、元夫・カーディスは、エリナがいなくなった現実に直面し、焦燥感と苛立ちを募らせる。周囲の噂でエリナとアレクの関係を知り、理不尽な独占欲と支配欲に突き動かされ、二人の前に立ちはだかろうと決意する。
「もう、見ているだけでは駄目だ」
アレクの決意と、エリナの新たな一歩。
再び交わる二人の想いの先に、過去の後悔を超えた未来が待っているのか──これは、そんなエリナのが幸せになる物語。