あらすじ
江戸、小塚原刑場――かつて死罪に処されたはずの男が、火の中から生きて戻ってきた。火付盗賊改、伊織慎士は、“死罪人が赦されて生き延びた”という奇怪な噂を追うなか、「赦し火」と呼ばれる現象と、それに連なる者たちの陰謀に迫っていく。
一方、処刑を免れ、名を捨てて江戸に舞い戻った男――今倉秀太郎。“赦された者”として闇に潜む彼は、かつて自らが背負った罪と向き合いながら、「生きながらにして罪を抱くことの意味」を問い続けていた。
人は、罪を背負ったまま生きられるのか。赦しとは、いったい誰が与えるものなのか――火の下、再び死者が歩き始める。