あらすじ
🌟あらすじ
『長谷川夏 ―魂の旅人―』
17歳の長谷川夏は、かつて「天才子役」と呼ばれた少女だった。
華々しい芸能活動の裏で、両親は夏の稼ぎを巡って争い、離婚。
心をすり減らした夏はすべてを拒絶し、芸能界を離れ、ただ静かに生きていた。
——自分には、何も守るべきものなどない。そう思いながら。
だが、ある日ふと立ち寄ったテレビ局で、運命が動き出す。
地下の“閲覧禁止の棚”。
誰も近づかないその場所で、夏はほこりをかぶった古い飛び出す絵本を見つける。
表紙には、かすれた銀の文字。
『白雪姫』
その文字が読めた瞬間、黒いドライアイスのような煙が立ちこめ、
甘く薬草めいた匂いとともに、絵本から異様な引力が放たれる。
気がつけば、夏はそのまま“物語の中”へと吸い込まれていた——。
辿り着いたのは、静まり返った城の広間。
そして、そこに立つ黒縁の鏡が、こう語りかける。
「お久しぶりですね、夏さん。
……ガネーシャ様とアポロン様は、ご一緒ではありませんか?」
それは、夏の名前も、過去も知っている存在。
しかし夏には、何の記憶もなかった。
——かつて旅を共にした神々のことも。
——そして、「長谷川さくら」という姉の存在すらも。
これは、失われた“記憶”と“物語”をめぐる魂の旅。
夏は、絵本、書籍、絵画、お香、CM、ビールのラベル、動物、落語など、
現実世界にある“もの”をきっかけに、異なる神話世界へと引き込まれていく。
白雪姫、ギリシャ神話、インド神話、仏典、悪魔との契約、幻想動物、
そして、失われた夢と姉の声。
彼女を導くのは、かつての“師”たち。
◆ あらゆる障害を笑いで超える雷神・ガネーシャ
◆ 美と芸術と光を愛する、上品でビール好きな太陽神・アポロン
◆ 沈黙の奥から見守る仏陀・釈迦
一話ごとに旅があり、試練があり、帰還がある。
冒険と収穫、ギャグと涙、笑いと神話、そして少しずつ明かされていく記憶の断片。
やがて、夏は思い出すことになる。
——自分には、姉がいたということ。
——姉の物語を、もう一度“光”へ戻す使命があることを。
魂の旅は続く。
すべての物語は、ひとつの真実へと還ってゆく——。