あらすじ
「···実は···愛している···」
「···だ、誰を?」
「···ま、真紀をだ···」
「分かったわ···幾ら用意すれば良いの···これが最後よ」
「···な、なんて真紀は、優しいんだ···」
浩二は、大粒の涙をポロポロと流しながら首を振った。
「えっ、お金では無い···ま、まさか人身事故でも···」
真紀は言葉を発している時に、血の気がスーと引くのを感じた。
「···別れてくれ」
「えっ! どうして?」
「···橋本美沙子と結婚式をあげる事になったんで···」
「···橋本美沙子って、だ、誰よ?」
「高校時代の同級生さ。昨日電話があって妊娠6ヶ月だそうだ。
同窓会の日の一夜の過ちで、妊娠するなんて···でも、男のケジメとして、結婚しないと···ごめん、許してくれ」
「···分かったわ。解放してあげる」
真紀は力なくそう言った。
真紀と浩二の同棲時代は1年半で終わりをつげた。