あらすじ
州ちゃんがいなくなった。
結婚を控えた枚田松造の前に届いたのは、幼なじみである白石州の失踪の知らせだった。
彼の弟、環からその経緯を聞いた枚田は、その事実に激しく動揺する。彼とは数年前、あることをきっかけに疎遠になっていた。裏切られ、ひどく傷つけられて、最低な形で復讐をしたのが——州との最後の記憶だった。
彼はどこにいるのだろう。一体どういうつもりでいなくなったのか。
散々振り回され続け、もう関わりたくないと思いながらも、枚田は州のことが気になってしかたがない。
冬の終わりに家出したこと、冬の公園で交わしたあの儀式、共に暮らした濃厚で穏やかな数年間——少しずつふたりの思い出を辿りながら、枚田は、州の不器用ながらも一途な気持ちに気づいていく。
美しく聡明だが自己中心的な州と、それに振り回され続ける枚田。互いに思い合いながらも、愛しさや執着、依存が絡まり合う複雑な関係は、なかなかひとつの形にまとまらない。
不器用すぎる20年越しの愛は、果たして成就するのか——
*本作はごく一般的なオメガバースの設定に独自の概念を加えています。説明は作中にて触れております。なお、受けの妊娠や出産の描写はありません