あらすじ
大学へ入学して初めて彼を見た瞬間、彼から目が離せなかった。
身長190センチ余り寡黙な表情、後ろに一括りにされた長い髪、長い手足に細身の身体、見惚れるほどの美丈夫にも関わらず、身につけているのはジーンズにダサいパーカー、靴は薄汚れたスニーカー、黒のバックパックはパンパンに膨れていた。
第一印象は田舎から上京してきたばかりの新入生・・・・・それでも、彼を一目見た時の衝撃はその後もずっと続いていた。
その衝撃の原因に気がつかないまま、俺は彼に近づき話しかけた。
誰に対してもそうするように、気楽に話しかけた。
明るく話しかける自分に、彼は戸惑うような笑顔を見せた。
寡黙な彼の笑顔は自分だけに向けられていた。
それが彼の特別になった気がして嬉しかった。