あらすじ
ラブホテルで使った安いシャンプーと安いドライヤーのせいで髪がごわつく。
まるで野良犬の様な毛並みの悪い髪に指を通しながら白み始めた夜明けの空を見上げた。
寒さで吐き出す二酸化炭素に色がつく。
これをお前は生クリームみたいだと言っていたのを思い出してしまった。
夜明けの風は冷たい。物凄い勢いで体温を奪っていくのに、頬が生ぬるかった。
その原因が涙だと気がつくのに少し時間が掛かった。
日付が今日に変わる少し前、俺は初めて女性を抱きました。とても温かくて柔らかくて、男とは違う肉付きに呑まれながらひっそり泣きました。
お前が夢中になる女性の体を知りたかったのです。
俺を傷つけてでもやめられない女性の快楽を体験してみたかったのです。
けれども心が裂けて血が出ただけでした。
白み始めた夜明けの空が滲んで見えた。
俺は童貞を捨てた朝にお前に抱かれたくて仕方なくなった。