あらすじ

秋川拓実は、統廃合で取り壊しが決まった母校・秋月中学校の旧校舎を訪れる。彼の目的は、かつて親友の蓮と過ごした音楽室と、死者の声が録音されるという噂の「ラジカセ」だった。  二人は放送部でラジオごっこを楽しんでいたが、中学三年の冬、進路や転校生・宮本のことを巡り激しく衝突し、仲直りできないまま蓮は交通事故で亡くなってしまう。  高校二年の秋、担任から「自分のルーツを訪ねる」課題を出された拓実は、再び音楽室を訪れ、蓮の字で「蓮→拓実」と書かれたカセットテープを見つける。テープには、蓮が喧嘩を後悔し、将来教師を目指していたこと、そして「また一緒に放送しよう」と語りかける声が録音されていた。  涙ながらに自分の未熟さを悔いる拓実は、ラジカセに自らの謝罪と蓮の夢を引き継ぐ決意を吹き込む。やがて彼は教師を志し、五年後、教育実習生として母校に戻る。新しい放送室で後輩たちとラジカセを囲み、伝説は「心を交わす場所」として受け継がれていく。拓実は、言葉や思いは時を超えて届くのだと実感し、新たな一歩を踏み出すのだった。

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エブリスタ2025/05/16
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