あらすじ
松本祐次は、偶然手に入れた『時の缶詰』の魅力に翻弄される。季節を閉じこめた缶詰、夏缶を開けた祐次は美奈子との思い出に浸る。それは二人で過ごした夏の思い出。天然の大海原に囲まれた体験ではなく、疑似映像の体感ではあったものの、それは貴重な思い出。でも、その楽しい思い出は直ぐに終わりを告げる。
美奈子と別れて出社した祐次は、ある書類を取引先のアール商事に届けることに。祐次は、そこで意外な事実に遭遇する。自分が届けた書類が、以前、契約した臓器提供の承諾書で、今、その場で、その承諾書に基づき臓器提供が実行されるという事実に直面すすることに。
地球温暖化の影響で地表の温度が急上昇し、地上から地下に居住区を移さなければ生存自身が危ぶまれる緊迫の事態。むろん、庶民である祐次たちには地下居住施設に移る資金はなく、祐次と美奈子は臓器提供の承諾契約を結ぶことで地下マンションの借用権を手に入れる。
そのつけが、予想より早く美奈子の臓器提供、すなわち、美奈子の死の宣告という形で訪れる。
悲しみの回想から我に返った祐次は愛と書かれた『時の缶詰』を開ける。
でも、それはパンドラの箱、祐次は『時の缶詰』に秘められた驚愕の真実を知ることに・・・。