あらすじ
22世紀、感情が数値化され「エモキューブ」によって色彩として可視化される社会。高校生の田中アルトは、複雑な感情パターンを持つ「異常者」として周囲から浮いていた。同じく「感情欠損症候群」と呼ばれる春野ミライと出会い、二人は「本当の感情の色」を探し始める。伝説の画家モレッティのアトリエを訪ね、彼から「近未来エンペラー」——感情を管理されず自由に表現する者——という言葉と、感情記録装置の原型を託される。
二人は学校の中央コンピューターに装置を接続し、全生徒のエモキューブに本来の複雑な色彩を映し出すことに成功。社会は混乱するが、生徒たちは自分の新しい色に驚き、喜び始める。しかし政府は二人を感情管理法違反で取り調べ、裁判にかける。だが、エモキューブの変化は街全体に広がり、人々は感情の豊かさを再発見し始める。
法廷でアルトとミライは「本当の自分でいたい」と訴え、画家モレッティも彼らを擁護。最終的に二人は執行猶予となり、社会は感情の自由化へと大きく舵を切る。学校では感情教育が始まり、エモキューブは芸術的な自己表現の道具となる。アルトとミライは「近未来エンペラー研究会」を設立し、かつての「異常者」たちが自分の感情を誇りに思い始める。
やがてドームの外の本当の空や風が解放され、人々は自分だけの色を見つけていく。アルトとミライは、管理される感情ではなく、表現し共有し愛される感情こそが人間の本質だと確信し、新しい時代の始まりを感じるのだった。