あらすじ
逃げ出した後に気づくのって遅いけど
主人は いつまで どこまで
追ってくるんだろ…
主人にとっての ワタシ なんて
たかが …
一匹のペットが逃げただけなのに …
―
主人は 事 が 済むと
ベッドからガサゴソと抜け出し
満足そうに息を
" ハァ---! ” と 吐くと 振り返り
いったん バサッ! と
布団をゼンブ剥がすと
自分の体臭が残った シーツで
そこに横たわったまま 動かない
ワタクシの カラダ を …
まるでラッピングするように 丁寧 に
そっ と シーツを カラダに添わせ
ながら 包み込むように 折り 上げ
… パサっ
その上に布団を掛けて
自分だけ 寝室から静かに出ていく
主人のそんな手で ‶ 隠された ”
まるで
‶ 繭 ” のようになったワタクシは
静かに主人が出ていく頃には
呼吸が浅くなる
嫌な 主人の残り香にしっかりと包み
こまれているから
もう ぼんやり してきて …
しだいに … 意識は遠くなり …
… 次に 殺される のは …
きっと そう だから …
だって …
これは あのこ の 最期と同じ姿 …
‶ ワタクシは シーツにくるまれ ”
それ を 想像させられ て
いつか来る その時 を
‶ 覚 悟 ” させ ら れる …
ワタクシの朝は この繰り返し …
それは ‶ 恐 怖 “
で? ‶ 絶 望 ” で も …
… もう なにも 感じ な い …
ただ … ワタクシは 無気力に
もう 眠りの中 に いる …
これが " 朝 の 事 ”
―
―
なにもできないワタクシでも
逃げ出したかった の かな …
あのこも 逃げれば良かったのに
そしたら きっと
もっと 生きていられたのに …
この家から …
あの 主人 から …
―
―
ゆきの主人は
そんなに 易しくはなく …
「 ん ? ゆ き?
とけた の か …」
… パタン!
静かに病室から出て往き …
―