あらすじ
大学時代の一年後輩の男が、突如失踪した。
参考人として警察に出頭した僕は、巷を騒がせる通り魔事件の話を担当刑事から耳にする。なんでも目撃者の証言では、被害にあった女性は犯行現場である路地裏から、全身血塗れの状態で自ら歩いて出て来たそうだ。犯行に及んだニメートル超えの巨漢と噂される犯人はどこへ消えたのか。そして辛くも生還し、夜の街へ消えたという被害女性には一体何が起きたのか。
同じ頃、まるで奇跡のような呪縛を受けたまま十六年間生き続けた少女とともに、失われた肉体を探す旅へと一人の女性が立ち上がった。
その人の名は、西荻文乃。
十二年前、僕がこの手で殺したはずの女性である……。
『文乃』『しもつげむら』『かなしみの子』から十年の歳月を経て、舞台は狂乱の呪詛奇譚、『九坊-kubo-』へ。
そして更に二年の月日が流れ、僕たちの目の前で今、新たな物語の幕が上がる……。