あらすじ

大学入学と同時に越して来た主人公・神前結人は、近所の様子を探る為に散歩していたところ、『本庄古書堂』という古本屋に辿り着く。  店主・本庄桐子は、うら若く綺麗な女性だが、一度見たもの・聞いたものは忘れない記憶力の持ち主であると同時に、相手の感情が『色』として見えてしまう共感覚まで備えていた。  そんな桐子の目に映る結人は、無色透明で――それは、とても純粋で、裏表のない人間にしか表れない色らしく。  アルバイト募集中、という文字を見て入って来た結人のことを視抜いた桐子は、是非とも一緒に働きたいと打診するが、それにはもう一つ、裏稼業である『思い出の補修作業』を手伝って欲しいという思いもあった。  記憶堂、というもう一つの顔を持つ桐子の仕事内容は、依頼者に対し、忘れてしまったこと、思い出せないことを、持前の記憶力と情報量で以って答えを示し、補完してあげること。  しかし桐子は、それだけ完璧な能力の数々を持ち合わせていながら、過去に一度、それらを使いこなせなかったせいで依頼を達成出来なかったことがあるという。  その仕事に、結人のような純粋な心を持った子は、もってこいだという話だった。  新しい生活、それも新天地。  少し悩んだ末に結人は、桐子の誘いを受けることにした。  大切な思い出の一部が欠けてしまった依頼者の『気持ち』に触れてゆく日々。  様々な人との出会い。  波風立たない平和な暮らしから一変した結人は……。  変わった力を持つ店主と、特別なことなど何もない平凡で純粋な少年が織りなす、じんわり切ない、そこに在る当たり前の日々。  時に笑って時に泣いて、時に謎解き時に恋をする。  そんな、何でもない日々のお話。 ※本作は、何年も前に投稿していた『桐島記憶堂』という作品をベースとしつつ、大幅に改稿した作品となります。  大きく異なるお話になってゆくかと思いますので、知らない方は元より、知っている方もお楽しみいただける作品になることかと存じます。

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エブリスタ
エブリスタ2025/02/07
  • 現在の作品本庄桐子の懐古録 〜出会いの春と、透明人間〜