あらすじ
光に照らされると、青く見える髪と目を持つ存在。通称ウオノケ。
黒の髪と目を持つこの国において、彼らは迫害の対象だった。
対象者であるツヅキも、幼い頃に捕まり実験施設に入れられていた。
弱り続ける体で耐え続けて十年、〝処分〟との言葉を聞き、死を受け入れようとする。
唯一心残りがあるとするなら、本の中にあった〝海〟と言うものを見られなかったことだろうか。
「……見てみたかったな……」
呟く言葉を、聞き逃さなかったのは担当者であるアムルだ。
彼は、施設の職員でありながら、ツヅキを人として扱う唯一の存在だった。
「行こうか」とツヅキの手を引くアムル。
これは、敵しかいない国を進みながら、二人で命をかけて海を目指す物語。