あらすじ
大阪南船場で小料理屋を長年営む野上静子は、この界隈でお客さんや近所の人から”お静さん”と呼ばれ慕われている気っ風のいい女将さんだ。
ある日、秋山のぞみという女性が、店先の求人の張り紙を見てやって来る。
大きな荷物を持って、子どもの手を引く女性の悲痛な表情がいかにも訳ありげで、お静さんは厄介ごとに巻き込まれそうな気がして断った。
断ったが、母親を信じて明るく笑う素直な子どものことが、どうにも気になって、結局、雇うことにするのだった。
客商売の経験はないというので少々心配したが、のぞみは働き者な上に気遣いのできる優しい女性で、お静さんの心の中に、ゆっくりと溶け込んできた。
良い子が来てくれたとお静さんは喜び、特に子どもの胡桃は可愛いくて、孫のように思って世話を焼いた。そんな時、胡桃の体に、たくさんの痛々しいアザを見つけて、お静さんは動転してしまう。
いったいこの母子に何があったのか……
助けたいと思ったお静さんは、何かできないかと悩む。