あらすじ
建仁二年、九月。
源頼朝の死から三年経った鎌倉、甘縄の地に住まう藤原邦通は、かつては頼朝の祐筆を務めていたものの、いまは隠居し、易だの陰陽道だの怪しげな趣味にふける毎日を送っていた。
そんな中、旧友の中原広元が、奇妙な知らせをもってやってくる。
都の東北にある大原の尼寺に、かの静御前の亡霊にとりつかれたと語る娘があらわれたというのだ。
怪異とあっては矢も楯もたまらずに飛び出す性の邦通。さらには生前の静と面識があったこともあり、邦通は鴫丸と荼伽王という二人の供を連れて鎌倉を出立する。
ところが、そんな一行の後をつける不気味な影があった。