あらすじ
歴仁元年(1238年)、春。
歌人、藤原定家が隠岐を訪れたのは、この島に流刑となった、かつての君主、後鳥羽院に会って、あるものを渡すためだった――。
タイトルは、思ひつつ経へにける年のかひやなき「ただあらましの」夕暮れの空、という後鳥羽院の歌によります。
詳しい人には笑止千万な、興味のない人には退屈な内容だろう…とわかってはいても、「ただあらましの」(こうであってほしい)という、私の願いから生まれた物語です。
作中に出てくる30首は珠玉の、あるいは含蓄に富む歌ばかりなので、もし、読んでくださる時は、それらの和歌をご賞玩いただけたら嬉しいです。