あらすじ
大学生の美咲は、幼い頃から憧れ続けてきた人物のもとで、病院の受付としてアルバイトをしている。
年の離れたその人は、厳しさの裏に優しさを秘めた外科医。けれど彼の視線は、いつも“大人と子ども”の境界を超えてこない。
ある日、彼とともに出向いた郊外の往診先で、突然の夕立に見舞われた二人は、古びたバス停で雨宿りをすることに――。
降りしきる雨音の中、閉ざされた空間で少しずつ滲み出していく想い。
心の温度とともに、ふたりの関係にも、わずかな変化が訪れ始める。
濡れた髪と胸の奥の秘密。
この雨がやむ頃、ふたりの間にある“境界線”は、まだ残っているのだろうか。