あらすじ
波瑠はある日、猫ときれいな男の子、千颯を拾った。
「ここに置いてください」と千颯に言われ、「ごはんを作ってくれるなら」と
波瑠は千颯を家に置いてあげることにした。
朝目が覚めたとき「ごはんですよ」と言われる幸せ。
帰宅したときに「ごはん出来ていますよ」と言われる喜び。
波瑠は毎日朝起きるのが嬉しく、また早く仕事から帰りたくなっていく。
これは、毎日の普通に食べるごはんがおいしいお話です。
***
全十二章50話で完結予定です。
1話は2000字程度です。
***以下ネタバレ注意のあらすじ***
波瑠は二十七歳の会社員で、古い日本家屋で一人暮らしをしていた。
実は、波瑠は中学生から家を出て祖母と二人で暮らしており、
その祖母がなくなったとき、波瑠は祖母と暮らしていた日本家屋を遺産として受け継ぎ、
大学生のころから一人暮らしをしていたのである。
波瑠にはどうしようもない渇きがあり、それを恋愛で補っていた。
ゆえにずっと恋人がいたが、しかしあまりうまくいかない恋愛ばかりだった。
三年つきあった恋人の黒岩は会社の上司であり、不倫関係にあった。
ある日黒岩に三人目の娘が生まれ、波瑠は別れを決意する。
別れを決意した日、深酒をした波瑠が家に帰ると、玄関の前に人がうずくまっていて
それが千颯だった。
千颯は帰る場所がなく、波瑠に家に置いて欲しいと言う。
波瑠はごはんを作ってもらうことを条件に千颯を家に置く。
高校生かと思うほど若く見えた千颯は大学一年生で、とてもきれいな顔をしていた。
千颯は毎朝ごはんを作り、波瑠を起こす。
そして、晩ごはんを作り、波瑠を出迎えた。
波瑠は、千颯との生活の中で、食事の大切さを思い出し、癒されていく。
波瑠の元カレの黒岩が家に来たり、千颯の義理の妹が家に来たりする事件はありつつも、
二人はその中でお互いを大切に思うようになっていくのだ。
波瑠は実母に疎まれて育ち、千颯は継母とうまく行かずに家を出た。
お互い、家族に対する渇望があり、恋愛がうまく出来なかった。
しかし、共にごはんを食べることで二人の心の距離は近づき、人と触れ合うことが難しかった千颯も
波瑠には触れることが出来るようになっていく。
キスもしない、ただ一緒に毎日のごはんを食べる、静かな恋愛のお話です。