あらすじ
愛を持ち込んではいけない仕事だった。
依頼されたのは、ただ“子どもを授けること”。
でも、心まで預けるつもりはなかった――。
国家が妊娠を管理する時代に生きるプロの“種付士”と、愛を諦めた一人の女性が出逢い、“命”と“心”をめぐって揺れる、純愛ヒューマンドラマ。
近未来。少子化が極限まで進んだ社会では、“国家認定の妊娠代行士”が制度として存在する。
プロの“種付士”として働く東野キセキは、感情を排し、ただ任務を遂行する冷徹なプロフェッショナルだった。
ある日、キセキの元を訪れた依頼人は、30代半ばの女性・詩織。
彼女は「子どもさえできれば、夫はいらない」と言い切る、どこか諦めた瞳を持つ女性だった。
身体だけを預け合うはずのふたりの関係。
だが、少しずつ心が動き始める。
「恋なんて、必要ない。それでも――この人の隣にいたいと思った」
詩織の抱える“過去の傷”、キセキが背負う“制度の呪縛”、そして新たに芽生える“命の鼓動”。
これは、決して交わるはずのなかったふたりが、“本物の家族”になろうと選び取った軌跡。
国家制度の理不尽と闘いながら、「愛してはいけない」とされた関係が、やがて“守りたいもの”へと変わっていく――。
これは仕事か、恋か。それとも、家族の物語か。
禁じられた関係の果てに生まれる、涙と再生の純愛ヒューマンドラマ。
(この物語はフィクションです)