あらすじ
高校二年生の桃原眞(ももはら しん)は、数年前に立ち入った禁足地で奇妙な呪いをかけられた。
それは――
「好きな相手に、本音とは逆の言葉しか言えない」 というもの。
もし一度でも素直な言葉を口にすれば、そのたびに自分の記憶が少しずつ失われていく。
そんな呪いを抱えながら、眞は親友の倉沢幸央(くらさわ さきお)に密かな恋心を抱いていた。
放課後のカラオケは、眞にとって唯一呪いから解放される時間。
歌っているときだけは、隠している想いを――“好き”という言葉を――まっすぐに伝えられる。
何も知らずに隣で笑う幸央と、失いたくないのに失われていく自分。
言えない言葉を、歌に乗せて届ける放課後。
嘘の言葉と、本当の声。
「全部、歌にしないと……君に届かない。」
そんな不器用で切ない“ツンデレの呪い”と、甘くて苦い青春の物語。