あらすじ

現代社会の片隅に、「悩める者にしか見えない」、奇妙な屋台の移動魔道具店『ワンダリング・ウィッシュ』が存在する。 普段はラーメン屋台のようにコンパクトなその店は、店主代理の青年・アベルが開店の合図をすると、まるで仕掛け箱のように華麗に展開し、無数の魔道具が煌めく幻想的な空間へと変貌する。 この店の真の店主は、見た目は少女だが、実年齢不詳の「次元の魔女」イリス。彼女は魔道具作りの天才だが、研究以外には全く興味がなく、その生活はアベルが支えている。アベルはそんなイリスと共に、屋台を引きながら世界中を放浪している。 物語は、多忙な仕事とすれ違いの末に恋人と別れ、夜の公園で一人傷心しているOLの佐藤麻衣が、偶然にも『ワンダリング・ウィッシュ』と出会うところから始まる。アベルは彼女の心の奥底に隠された悩みを鋭く洞察し、イリスが純粋な好奇心で生み出した魔道具の中から、その悩みに「間接的に」作用する一つを提案する。 旅の道中、アベルとイリスは、それぞれ異なる悩みを抱える人々――失恋に泣く会社員、将来に迷う受験生、人間関係に疲弊した主婦、アイデアに詰まる小説家など――と出会う。 魔道具は彼らの悩みを直接的に解決する万能薬ではない。それはあくまで、自身の内面と向き合い、自らの力で一歩を踏み出すための「きっかけ」となるのだ。 アベルは、様々な人々の人生に触れる中で、自身の『真の目的』とも向き合っていく。一方、イリスの天才的な発想と、時折見せる規格外の行動は、彼らの旅に予測不能なコメディ要素と奇跡をもたらす。 これは、不思議な魔道具と、その力を借りて自らの道を見つけていく人々、そして二人の奇妙な店主が織りなす、優しくもどこかおかしな旅の物語である。

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エブリスタ
エブリスタ2025/07/12
  • 現在の作品旅する魔道具店『ワンダリング・ウィッシュ』~七色の願いを売る店~