あらすじ
複数の浮遊大陸が空を漂い、星辰の巫女の「お告げ」が絶対の理として世界を統べる時代。天空の聖域の第一王女シエルは、突如下されたお告げに絶望する。それは、彼女が「希代の悪女」と噂し、幼い頃から犬猿の仲である竜脈の王国の第一王子ヴァルハルトとの婚儀を命じるものだった。
高貴で完璧を装うシエルだが、内心では剣術を好む「じゃじゃ馬」な自分をヴァルハルトに嫌われていると確信し、彼の冷たい態度に深く傷ついていた。「殿下は剣を持つようなじゃじゃ馬はお嫌いだと……」
一方、冷徹無口で「鬼のヴァルハルト」と恐れられる王子もまた、自らの「竜血」に隠された秘密ゆえに、愛する者を傷つけることを恐れ、あえて冷たい言葉でシエルを遠ざけていた。「鬼の吾に好かれても、ヒトには迷惑なだけじゃ」と心で呟き、彼女の安全のためと己に言い聞かせる日々。しかし、彼の心は、シエルの流す涙を見て密かに動揺していた。「希代の悪女という噂は嘘だったのか? この可憐な涙はなんだ? あんなに冷たい態度をとって、私は今更どんな顔をすればいいんだ……。」
婚儀に向けた打ち合わせは常にぎこちなく、互いの誤解は深まるばかり。だが、二人の「両片思い」が引き起こす「想いの歪み」は、世界の均衡を司る「星辰」に異変をもたらし、各地で不可解な現象が頻発し始める。巫女は、その異変の根源が二人の「魂の奥底で絡み合った糸」にあることを示唆し、婚儀の真の目的が、その糸を「解き放つ」ことにあると告げる。
世界の危機が迫る中、彼らは互いの真意を知り、このねじれた運命の糸を解き放つことができるのか? それは、単なる恋愛の成就ではなく、互いの想いを昇華させ、世界を救う、壮大な「運命の誓約」となる。