あらすじ
高校生の主人公は、部活からの逃避中に奇妙な駅「時雨駅」に迷い込む。雨が降る中、制服姿の少女と出会い、この駅が「時間雨宿り駅」と呼ばれ、時間に迷った人がたどり着く場所だと知る。二人は行き先不明の電車に乗り、主人公が12歳だった過去の公園へ。そこで泣いている少年時代の自分を発見した主人公は声をかけ、友達との喧嘩を慰める。この体験を通じ、少女から「時間管理人」の真実を聞く:彼女は3年前に事故死した中学生で、時間への未練から迷える人を救う役目を負っていたのだ。
主人公はこの体験で過去と和解し、現実世界に戻る。その後、写真や文筆活動に打ち込み、成長していく。1年後、卒業式の日に再訪した駅で少女からの別れの手紙を受け取る。大学生活を経て編集者となったある日、自身の体験と酷似した「時間雨宿り駅」の原稿が匿名で出版社に届く。これは時間管理人の少女の仕業だった。
40歳となった主人公は家族と平穏な日々を送るが、ある雨の日、偶然「時雨駅」で少女と再会する。少女は「本を通じて他人の時間を豊かにするあなたこそが、今の時間管理人だ」と感謝を伝え、永遠の別れを告げる。主人公は電車に乗り込み、時間の円環性を実感しながら帰路につくのだった。雨は新たな迷える者のために降り続ける。