あらすじ
前作『葬舞師と星の声を聴く楽師』より1年。ファーマール帝国を滅亡させた隕石で足を負傷した楽師ハーヴィドは舞師アシュディンと共に義足探しの旅を続けていた。鉄工業の盛んな街で待ち受けていたのは、まさか帝国伝統舞楽団の派川。第5代正統舞占師ディ・シュアンの時代より更に遡り、袂を分かった双生舞師の悔恨が時空を超えて悲劇を生み出す。アシュディンはその魂を浄化できるのか。
【登場人物】
アシュディン
本シリーズの主人公。宗教舞踊ダアルを生業とする帝国伝統舞踏団(ダアル・ファーマール)の正統継承者の青年。第12代正統を務めるはずだったが前作で帝国滅亡し、舞踏団の生き残りとして新たなる旅に出た。痩身の美形は「伝説の踊り手の血統を証明するもの」と噂されるほど。向こう見ずで喧嘩っ早い一面もあり。
ハーヴィド
移動民族(ロマ)出身の流浪の楽師。11本の弦を指で掻き鳴らす木製楽器(ヴィシラ)の弾き手。芸道にストイックで、長旅のため頑強な体つきをしている。樹をはじめとして自然をこよなく愛する男。168年前に帝国伝統舞踏団ダアル・ファーマールを追放されたエル・ハーヴィドの末裔。ファーマール帝国が隕石群襲来にあった際に、アシュディンを庇ったことで右足の先をなくした。義足を探す旅の途中。
エルンカム
鉄工で栄える街テーナサラにある唯一の宗教施設、スファーディ教教会の司祭。30歳で痩身長身の怒り肩、落ち着いた口ぶりの裏に何か凄みのあるものが見え隠れする。