あらすじ
この世界には、「ケーキ」と「フォーク」が存在する。
ケーキ──甘美な香りと味を持つ、極上の存在。
フォーク──何らかの理由で味覚を失い、ケーキを“美味しい”と感じてしまう人間。
ケーキは自分がケーキであることに気づけず、フォークとの出会いで初めて己の本質を知る。
だがその瞬間は、時に“捕食”の危機でもある。
社会人1年目を目前にした雪白 恋(しらゆき れん)は企画開発部で働いており、天然ドジな新入社員と部署内で可愛がられていた。
そして鬼上司として恐れられる烏羽 尊(うば たける)主任の下で、叱られながらもひたむきに頑張っていた。
しかしある朝、通勤電車で“ソレ”は起きた。
突然見知らぬ男に腕を掴まれ、耳元で囁かれる。
「……君、ケーキだよね?」
必死に抵抗するも力では敵わず、もうダメかと思ったその時、駅員に引き離され間一髪で助かった。
それが原因で遅刻した雪白は、職場の廊下で仁王立ちする主任の烏羽と鉢合わせる。
「お前が遅刻とは珍しいな。正当な理由があるなら聞くが」
雪白は怯えながら頭を下げるが、烏羽は怒るどころか襲われたことを心配してくれて
意外な優しさに触れたその瞬間から、雪白の中で主任の存在が変わり始めた。
──その後
出張先のホテルで、烏羽が風呂に入っている間に一人ベッドに転がりながらスマホでドM受けのBL漫画を読む雪白
頬を赤くしながら「…俺もいつか…こんな…」と妄想に耽っていたその背後に、不意に聞こえる声。
「へぇ……雪白、こういうの見るのか」
驚いて振り返ると、バスローブ姿の烏羽が立っていた。
スマホは、彼の手の中
──この日を境に、二人の関係がほんの少しずつ、変わり始める。
“捕食”の運命に抗いながら始まる極甘・背徳SMラブ