あらすじ
演劇研究所の講義は実に破天荒で新鮮な講座が多かった。
『感情の解放』『感性の調律』『ル・コックシステム』『ミーム』なんていう講義名は学校教育では味わえなかった魅力溢れる実践だった。
『日本舞踊』や『ジャズダンス』『狂言』や『モダンバレエ』なんかも繰り広げられる教室で、俺は佐奈子さんに出会い、佐奈子さんと戯曲『紙風船』の夫婦役を演じることになった・・・。
あれからもう40年の歳月が経った。
なのに今尚、ふいに科白が突き上げて来て・・・。
「佐奈子さん、あなたは・・・」
と俺は感傷にも似た思いに心の中が一杯になってしまう。