あらすじ
その生徒の名前は、学園内の記録から消えていた。
存在を示すデータも、写真も、証言すら曖昧で──まるで最初から存在しなかったかのように。
「記録の残る限り、罪は裁ける。」
記録管理課所属、風間湊。
警察の中でも地味で無名なその部署に所属する彼は、過去の未解決事件や矛盾した報告書の“記録の歪み”を読み解く特異な観察眼を持つ。
今回は“ある学園”で発生した奇妙な失踪事件を再調査するため、臨時の学内派遣として潜入することに。
だが学園には、閉鎖された空間特有の緊張と、教師・生徒たちが共有する“何かを隠している”空気が渦巻いていた。
かつて記録され、そして意図的に消された“罪”とは何か。
残された記録と矛盾の狭間で、風間は真実へと辿りつけるのか──。
これは、「記録」に残された罪と、「記憶」から消された存在をめぐる、静かな戦いの始まりである。
■風間 湊(かざま みなと)
警察庁・記録管理課所属。28歳。
“事件の痕跡は、記録の中にこそ残る”という信条のもと、現場の矛盾や記録の曖昧さから真相に迫る異色の捜査官。
温厚な物腰の奥に、冷徹な論理と観察力を秘めている。過去に起きた“ある事件”をきっかけに、記録に取り憑かれた。
■神代 莉緒(かみしろ りお)
今回の潜入先・私立聖錬学園の臨時教員。20代後半。
表向きは協力者として学園内を案内するが、何かを隠しているような節がある。風間の観察によって、徐々にその過去と正体が明らかになる。
■謎の“消えた生徒”
学園の記録から存在が消えたはずの人物。
しかし一部の生徒は、断片的にその記憶を持っている。果たして彼は実在したのか、それとも…?