あらすじ
「お前のような無能な令嬢は不要だ!」
公爵令嬢セレスティーナは、婚約者である王太子に理不尽にも婚約破棄され、実家からも追放されてしまう。絶望の淵に立たされた彼女がたどり着いたのは、寂れた領地の片隅にある荒れ果てた薬草園だった。
しかし、植物をこよなく愛するセレスティーナには、誰にも言えない秘密があった。それは、現代日本の薬学知識を持つ「前世の記憶」――。
彼女は薬草園を再生させ、次々と画期的な「万能薬」を生み出していく。最初は好奇の目で見られていたセレスティーナだったが、彼女の作る薬は瞬く間に領民の病を癒し、やがてその評判は隣国の「冷酷皇帝」と名高いルキウスの耳にも届く。
ある日、瀕死の重傷を負ったルキウスがセレスティーナの元へ担ぎ込まれる。彼を救ったことで、セレスティーナは冷酷無比と恐れられる皇帝の、意外な一面を知ることに。そして、無表情だった彼の瞳が、彼女を見るたびに熱を帯びていくのを感じるが――。
これは、不遇な悪役令嬢が、その知識と優しさで世界を救い、冷徹な皇帝の心さえも溶かしていく、甘くも波乱に満ちた逆転劇である。