あらすじ
後宮の片隅で、名もなき下女として働く少女・シンファ。
かつて街で香と薬草を扱う祖父のもとで育ち、密かに西洋医学の知識を学んでいた。
人攫いにより後宮に売られた彼女は、病や毒、女たちの嫉妬が渦巻く後宮の中で、ただ静かに生き延びようとしていた。
だがある日、高貴妃が倒れ、侍医たちが手をこまねく中、彼女の知識が奇跡を起こす。
その瞬間から、誰かにとっては"不要な存在"だった少女は、"後宮の影の医師"として、知らず知らず宮廷の闇に近づいていく――。
香と薬の香りに導かれた小さな推理が、皇帝の命運を左右する。
「命を救うのは、地位でも血筋でもない。観察と知識だわ」
陰謀渦巻く宮廷で、彼女だけが知る「医学」という武器が光を放つ。
後宮×医術×香×推理――
これは、命を救いながら真実を暴いてゆく、一人の少女の物語。