あらすじ
A Mind Trapped in Flesh
デモが日常と化した世界で、言葉を発さず歩き続ける奇妙な群衆が街に溢れ始めた。
プラカードを掲げ、無言のまま進むその行進には、血色の悪い者たちが混じっていた。
ジャーナリストの鳴神悟は、参加者が噛まれて倒れるという異常な事件の真相を追い、群れの中に血に濡れた制服姿の少女を見つける。
その瞳には、確かに生きた意志が宿っていた。
感染した少女・深雪は、意識を保ったまま死んだ身体に囚われていた。
逃げてほしいと願いながらも、彼女の身体は生きた人間を襲い続ける。声も届かず、心だけが壊れないまま地獄をさまよう。
人類は気づけなかった。これは死者の復活ではない。
意識だけが生き残る感染症だった。
祈りは声にならず、叫びは誰にも届かない。
これは滅びゆく世界で、それでも生き続けた心の物語。