あらすじ
──その日、戦場で一番人が集まっていたのは、「飯屋」だった。
東京・中野にひっそり佇む町中華「梁山泊」。
店主の李 翔(リ・ショウ)は、腕は一流だがどこか世捨て人じみた料理人。
「うまい飯があれば、人は生きていける」──そんな信念で、騒がしい現代を料理の香りで包んできた。
だがある日、厨房で意識を失った李は、目を覚ますと古代中国、乱世のただ中にいた。
そこは、盗賊と反乱者が集うという伝説の地「梁山泊」。
だがまだ、それはただの荒野であり、名もない小さな野営地にすぎなかった。
戦も、策略も、何もできない。
ただ彼にできるのは、「腹を満たすこと」だけ。
「だったら俺は、この梁山泊で、店をやる」
その言葉から始まった、中華飯屋「梁山泊」の物語。
剣士、逃亡者、美女、策略家──
傷を負い、道に迷った流れ者たちが、李の店に集まり、飯を食べ、語らい、やがて再び歩き出していく。
料理は、人を変える。
人が集まれば、物語が始まる。
そして、誰かが言う。
「あんたの料理は、人の心を立ち上がらせる」
これは、“闘う梁山泊”の前にあった、
“生きる梁山泊”の物語。
一杯の飯から始まる、もうひとつの水滸伝──。