あらすじ
桜が丘高校に、ひとりの転校生がやってきた。
名前は風祭球児──かつて甲子園常連校でエースと称えられ、プロも注目していた天才投手。
だが彼は、野球を愛していたはずのその手を、自ら手放すようにしてチームを去った。
父は元プロ野球選手。夢破れた過去を背負いながら、息子に苛烈な期待をぶつけるスパルタ親父。
強豪校では、才能を妬んだ先輩たちに居場所を奪われた。
「もう、野球はいい」
そう言い聞かせて訪れた転校先──桜が丘高校には、試合すらできない弱小野球部と、たった一人のマネージャーがいた。
彼女の名前は、夏見千紗。
元気すぎるくらいの真っ直ぐな笑顔で、「甲子園に行こう」と無茶を言う。
仲間は未熟、設備もボロ、勝てるはずもない。
それでも、風のにおいと土の感触に、球児の心は少しずつ溶けていく。
「……もう一度、投げてみてもいいかもしれない」
それは、止まっていた青春の歯車が、再び動き出す音だった。
──恋をした。
──仲間ができた。
──そしてもう一度、夢を追ってみようと思った。
速球155キロ、落差あるフォークを武器に。
傷ついた心でマウンドに立つ、訳あり転校生と仲間たちの、笑って泣けるじんわり青春ストーリー。
恋と野球と、父との確執を超えて──目指すのは、あの“夏空”の向こう側。
※ みなさん、こんにちは
この物語は、ひょんなことから弱小野球部にやってきた訳アリ転校生と、
元気すぎる美人マネージャーと、ボロいグラウンドと、足りない部員数から始まる、
とても静かで、とてもあたたかい「青春のリスタート物語」です。
甲子園よりも眩しかった、誰かの笑顔。
最速155キロのフォークよりも心に刺さる、あのひと言。
勝つことよりも大切な“好き”を、みなさんと一緒に思い出せたら幸せです。