あらすじ
クダンという生き物を知っているだろうか。
人面牛身という不可解極まりない身体構造を持ち、その口からは予言という名の呪言を吐き残し、死んでいく。
歴史書の中に、その存在が書き記されている。
しかし、このクダンの像には二つ間違いがある。
一つ目は、人面牛身ではないこと。
クダンは、外見や体の構造は、ヒトと変わりがない。普通に生活していれば、クダンと判断することは、不可能だろう。
二つ目は、予言を残すわけではないということ。
クダンは、起きることが『先にわかっている』のではない。
クダンが、『語ったことが実現する』のだ。
いわゆる言霊信仰に近い。ただし、クダンが語った未来は100%実現する。
なぜそんなことがわかるかって?
そりゃあ、簡単な話だ。
僕自身が、クダンだからさ--
クダンの少年、万葉(かずは)とその同級生ほたる。
二人の出会いから物語は動き出す。
言葉で運命を紡げるが故に、言葉に絶望した少年と。
絶望的な世界にいながら、未だ世界を信じようとする少女と。
二人が織りなす終着点は未定の現代小説。
宜しければ、ご賞味あれ。