あらすじ
死者の魂は蛹になり、羽化して蝶となれば来世へ飛び立つ。
蛹石(さなぎいし)と呼ばれるその石を次の生へと導く存在。それが、羽化師と呼ばれる人々だ。
やんごとなき娘は御簾の奥で慎ましやかに暮らすべきもの。
そんな貴族社会の末端に生まれ落ちながらも、羽化師となって魂蝶寮(こんちょうりょう)で働くことを夢見てきた綾埜(あやの)はある日、蛹石泥棒と鉢合わせてしまう。
絶対に奪われてなるものかと抵抗する綾埜を前に、なんと盗人の男は、綾埜ごと蛹石を盗むのだった。
颯と名乗った盗人は「魂蝶寮の真実を見せてやる」と言い、綾埜を蛹石の夢の中へと強引に誘い込む。
彼はどうやら、二年前に魂蝶寮を除籍になった罪人らしい。
最初こそ颯を胡散臭く思っていた綾埜だが、共に蛹石の羽化を繰り返すうち、立場を異にするはずの二人の間には絆が生まていく……。
魂は皆平等なのか。
正しいということは何なのか。
綾埜は颯と共に、魂蝶寮の闇へと足を踏み入れていく。
🦋正義感強め女子×訳あり盗人の、平安京風呪術譚🦋
※約11万字、毎日23時更新。