あらすじ

最後に聞こえるのは、雨の音か、水に捕り籠められる自分の音か。 その山には、古くからの噂がある。 “水に取られた”者は、二度と還らない、と——。 編集者の相沢美咲は、日常の中で「水」にまつわる奇妙な現象に悩まされていた。 原稿の文字が滲み、水音の幻聴が聞こえる。 気晴らしに参加した友人たちとの登山。 しかし、その目的地こそが、全ての源である御霊山(みたまやま)だった。 山麓の“水守村”で触れた、異様な風習と住人たち。 そして、登山を開始した途端、仲間の一人・結衣が、まるで水に呼ばれるかのように変容していく。 「気持ちいいの…」——それは、人ならざるものへの歓喜の声。 逃げ場のない霧の森で、仲間たちが次々と“水”に還っていく。 最後に残された美咲が知る真実とは。 これは消滅なのか、それとも救済なのか。 これは呪いか、祝福か。

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小説を読もう2025/07/03
  • 現在の作品水に取られた ―六月の贄(にえ)―