あらすじ
「君との婚約を破棄する。理由は簡単だ、私は恋愛に興味がない。結婚もするつもりはないんだ」
まっすぐに告げられた言葉に、私は一瞬だけ口を閉ざした。まるで、さっきまで立っていた地面が、音もなく崩れていくような感覚だった。
けれど、私は微笑んだ。貴族令嬢として育てられた十七年間で、どんな時も冷静にふるまう訓練だけは嫌というほど積んできたのだから。
「そう。わかりましたわ、エドワルド殿下。……婚約破棄を、お受けいたします」
その瞬間、エドワルドの表情はわずかに安堵に緩んだ。それが何より、私にとっての答えだった。