あらすじ

没落華族であり、痛みを和らげる「癒しの力」を持つ巫女、志乃。父が作った借金の形に売り飛ばされそうになったところ、呪殺を生業とする呪術師の男に救われる。 白いざんぎり頭、血色の感じられない無表情な顔。はだけた着流しの襟元からは、包帯まみれの体がのぞく。 そして特徴的なのは、左右異なる色の瞳——。 「お前を嫁に貰い受けにきた」 彼は亡き志乃の母と、一年を刻限とする志乃との結婚契約を結んでいた。 呪詛返しによって四肢を切断され、右目を抉り取られたという彼は、式を補装具として使い体を動かしている。呪に命を蝕ばれつつあった彼は、想像を絶する痛みと夜毎闘っていた。 「手を握って、そばにいてくれ」 衣食住の対価として志乃に命じられたのは、眠る間咲夜の手を握ること。 一年の刻限は、彼の命が尽きるまでの期間。体を取り戻せなければ、あと一年で咲夜は死んでしまう。 殺戮人形として育てられた彼だったが、志乃と触れ合ううち、人間らしい表情を取り戻していく。 「俺はもう志乃がいなければ生きていけない体になってしまった」 「お前の体は、とてもあたたかい」 「ずっと一緒にいてくれと言ったら、お前は俺のそばにいてくれるのだろうか」 まっすぐな愛情を向けられ、いつしか志乃は彼と恋に落ちていく。 彼らは試練を乗り越え、幸せになることができるのだろうか。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/06/19
  • 現在の作品癒しの巫女と壊れた呪術師〜大正契約婚物語〜