あらすじ

仕事で「海に沈んだ村」の噂を追う主人公は、蒸し暑い田舎の電車に揺られ現地へ向かっていた。 クーラーもない車内、汗と湿気がまとわりつく中、イヤホンのバッテリーが切れ、耳栓代わりに着けたまま海の輝きを眺めていると、突然イヤホンから水泡のような不気味な音が響く。気にも留めず窓に目をやると、トンネルの暗闇に映る自分の顔の隣に、ずぶ濡れの老人が現れる。青白い顔、ギラつく目、腐臭を放つその姿に凍りつくが、振り返ると老人は消え、代わりに一人の女性が立っていた。安堵したのも束の間、彼女は冷たく「それは、未来の貴方よ」と告げ、不気味な笑みを残して去る。 動揺しつつ席に座ると、びしょ濡れの座椅子の冷たさに驚き、車内が異様に静まり返っていることに気づく。乗客は消え、全ての座席が水浸しで変色し、床には水滴が滴る。再びイヤホンから響く水泡の音。今度ははっきりと「こっち…おいで…」という声が聞こえ、振り返ると、そこには痩せこけた自分の姿をした老人が立っていた――。 「海に沈んだ村」の謎が、主人公を恐怖と不可解な現象の渦へと引きずり込む。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/07/03
  • 現在の作品海に沈んだ村