あらすじ
世界が壊れても、人として生きていたいと思った。
瓦礫に覆われた終末の街で、男は人を撃ち続けていた。
誰にも命じられていない。ただ、生き延びるために。
そして──“五百人殺したら、自分も死ぬ”と決めていた。
今日、四百九十九人目を撃った。
夜。焚き火の前に現れたのは、少年だった。
「兄貴を殺したのは、あんただな」
銃を向ける少年と、最後の“ひとり”を探す男。
引き金の向こうにあるのは、復讐か、それとも救いか。
引き金の重さと、生きる理由の軽さが交差する。
終わりゆく世界で“人である”ことを信じた男の、静かで暴力的な祈りの物語。